偏差値が9000億であるということ

偏差値が9000億になるようなケースを考えます。

i = 1, 2, ... ,N のように N 人の受験者がいたとき、 i 番目の人(iさんとします)の偏差値 T_i

\displaystyle
T_i = 10\frac{x_i - \langle x \rangle}{\sigma} + 50

で定義されます。

ここで、x_i は i さんの得点であり、 \langle x \rangle は平均点、 \sigma標準偏差でそれぞれ以下のように計算されるものです。

\begin{align}
\langle x \rangle &= \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N x_i \\
\sigma &= \langle x^2 \rangle - \langle x \rangle^2 \\
\langle x^2 \rangle &= \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N x^2_i
\end{align}

です。

仮に、iさんが自分であったとして、自分の点数を100点、自分以外は全員1点だったとします。

すると、

\begin{align}
\langle x \rangle &= \frac{99}{N} + 1 \\
\langle x^2 \rangle &= \frac{9999}{N} + 1 \\
\sigma &= \frac{99}{N}\sqrt{N-1}
\end{align}

となりますから、偏差値 T_i

\begin{align}
T_i = 10\sqrt{N-1} + 50
\end{align}

のような簡単な式で表せます。

自分以外の人数を M 人とおき直して以下のように書くこともできます。

\begin{align}
T_i = 10\sqrt{M} + 50
\end{align}

上記の仮定において、自分の偏差値が9000億になるような状況を考えます。

すると、 T_i = 9 * 1011 を代入した上で N について解けばよいので、

\begin{align}
N = \left(\frac{T_i - 50 }{10}\right)^2 + 1 \simeq 8.1 \times 10^ {21} = 81垓
\end{align}

となります(近似しない場合は80垓9999京9999兆1000億1)。

また、このときの標準偏差

\begin{align}
\sigma \simeq \frac{99}{\sqrt{N}} = 1.1 \times 10^{-9}
\end{align}

となります(近似しない場合は0.00000000100000000005555)。

自分だけ100点でそれ以外の81垓人が1点なのですから、標準偏差(ばらつき)が恐ろしく小さな値になるのは当然です。

つまり、以下の結論が導けます。

自分の得点が100点でありなおかつ自分以外は全員1点のとき、
全受験者数がほぼ81垓人(80垓9999京9999兆1000億1人)ならば
自分の偏差値は9000億になる。

追記

以下の記事にあるように「自分以外の全員が同じ点数でかつ自分より低い」という条件さえあれば、点数に関係なく人数のみから偏差値を算出できます。

したがって、互いにどのような点数であろうとほぼ81垓人が受験していれば自分の偏差値は9000億になります。

bubusore.hatenablog.com

このことから圧倒的な得点差は必ずしも必要でないことがわかり、比較的狙いやすい偏差値であることが明らかとなります。